ワンダーフォーゲル

昨日のことを書くよ。思い出してみる。昨日あの子とはサンクス・五時半に待ち合わせた。僕は四時半くらいにシャワーを浴びて髪の毛を乾かしてワックスで髪型をセットする。自分なりに一番かっこよくなる。かっこわるけどこれが俺の限界だからしかたない。
五時ごろ待ち合わせ場所に向かう。着いたのは十五分だった。そこからの十五分はめちゃめちゃ長かったよ。あまりにも暇すぎたので小林にメールしたんだけど相手にされなかった。男にすらモテへん…。三十分になっても彼女はこない。俺はもうあーあーあーって思いながらミネラルウォーターのガブガブ飲んでたよ。そしたら目の前にアキヒロが現れた。自動車学校の帰りらしい。すこぶるどうでもいい。けど暇なので話した。話してたら突然助手席のドアが開いて女の子が乗り込んできた。あの子だ。あの子が僕の隣に座ってた。やっぱりかわいい横顔。ブランクを感じず僕たち二人は話す。アキヒロを置き去りにして話す。ノリでアキヒロを乗せて車を出す。夢がかなったよ。僕の助手席一号はあの子だよ。母ちゃんは数に入れてないよ。入れるわけない。幸せをかみしめながらもうひとりの同級生を迎えにいく。郵便局の前に座っていたのでクラクションを軽くならし、彼女が気付いたところをスルーして走行。ささやかな笑いをとる。
そしてまだ人を乗せる。軽四に普通に五人が乗る。普通に捕まるからねこれ。アホすぎる。さらにもう一人くる。お前等きすぎ。軽四に六人はもう無理だろう。ということで車を持っているまーちゃんを召喚。二台に別れてボウリングをしにいく。助手席がのぶよしに変わる。多少萎えたよ。
ボウリング場でボウリングをする。自然の摂理だね、まさに。彼女と俺とモリと村でやる。彼女はうまい。俺は下手。モリは二日酔い。村は俺よりも下手くそ。よかった、ブービーにはなれそうだ。んでやっぱりブービーになれた。しょぼいなあ。あの子は100を越えてた。さすが。大好き。
2ゲーム目はチーム戦。彼女とチーム組みたかったけど俺のパートナーはまーちゃんだった。そして見事負けたよ。しょぼすぎる。一位の二人にジュースを奢る。僕らはジュースを飲まずに苦汁を飲む。うまい、山田くん!座布団もってきとくれ!歌丸さんのをやってくれ!
ボウリング場を離れてファミレスへ。僕は彼女の隣の席。一緒にドリンクバーに行ったりする。あと間接キスもした。したというか僕の使ったストローで彼女がジュースを飲んだ。束の間だけどなんかそんな気分になれた。うれしかった。幸せだったよ。
食事の途中、彼女が冗談っぽく僕のメガネをはずして自分にかけた。似合う?って。その仕草がめちゃめちゃ愛しくて、その顔がめちゃめちゃ可愛くて、あんまり直視できなかったよ。
でもその後の会話の中でやっぱり俺は彼氏とかそういう対象じゃないんだなあと痛感した。ほんとに泣きそうになった。さっきまでが余りに幸せだったから一気に奈落の底に落ちた気分だった。
ファミレスをでて、僕たちは僕が卒業した小学校のグラウンドで花火をした。もやもやした気持ちを抱きながら花火に火を灯す。線香花火の粒に願いをかけてみたりする。なんだかやたらセンチメンタルな気分になった。
なんか村に水をかけられたので僕もやつに水をかけまくった。二人で水を掛け合った。ちょっと待って、なんでお前と戯れてるんだよ、あの子と戯れたいよ、とか思いながらも水をかけまくって僕が勝った。三回コールドもいいところだ。ざまあみやがれい。
花火の片づけをした後、彼女と村を家に送り届ける。彼女と別れるとき、冗談ぽく行かないでとかいってみる。キャラじゃないな、と思ってすぐにおやすみと言って別れた。僕は横にのぶよしが居たので泣かなかったよ。
矢のように月日は過ぎて僕が生き絶えたとき、渡り鳥のように何食わぬ顔で飛び続けるのさ。なんか岸田さんと飲み明かしたい気分になった。そんな昨日。
携帯で書いたから変な文かもしれないけどそんなの知らないよ。